クイズの時間
2025年06月01日
ごはんが終わると私の横で、中学2年生の次男が携帯を片手に何やら真剣な面持ちでスクロールしている。
「あ、じゃあいくで!」
突然の宣言とともに、クイズの時間が始まった。いや、クイズと言ってもただのなぞなぞや早押しゲームではない。
「明治維新のときに、新政府が廃止した身分制度をなんというでしょう!」
中学の歴史の問題かぁ。
今年高校に入学したばかりの長男が、箸を置いたまま淡々と答える。
「四民平等」
正解に次男は、不服そうに次の問題へ。
私はといえば、心の中でつぶやく。「へぇー、四民平等かぁ……」
完全に忘れてる。次の問題も、その次の問題も、歴史の教科書から抜き出してきたような本格的な内容ばかり。二人のやりとりはまるで塾の延長か、受験期の反復練習。でも、そこには緊張感よりもどこか楽しげな空気が流れていて。
長男は受験のあいだ、静かにでも確実に努力していたんだなぁと、今さらながらしみじみ思う。
一方で、私はどの問題もわからず、すごいなぁと思いながら、もはやクイズ番組を見ているテレビの前の人。
でもそれでもいいなと思う。彼らが学んでいることを、家の中でこうして自然と出してくれるなんて、ちょっとうれしい。
「じゃあ次、江戸時代に……」
次男がどんどん問題を出していく中、長男は涼しい顔で答えていく。しまいには、出題し始めた頃には答えはわかっているようで問題の出し方が変だとケチまでつける。
全く私の頭脳を継承しなかったことに、心からホッとしている。