「どうかしてる」

我が家の息子たちは、なにかと私に聞いてくる。
冷蔵庫を開ける前どころか、すでに手がかかっているその瞬間でさえ、

「お茶ある?」
「ハム残ってる?」

と聞いてくる。いやいや、いま開けるその手で確認すれば早いのでは…と心の中で突っ込みたくなる。

始めのうちは、いちいち答えていた。
でも最近は、「見てから言って」と、返すようにしている。

それでも、彼らは毎日何かと聞いてくる。
まるで、”hey!siri”、”アレクサ”状態なのだ。

先日はさらに拍子抜けなことが起こった。
夕飯時、テーブルにはサラダと、ちゃんと用意したドレッシング。

なのに、息子は冷蔵庫の前までスタスタと歩き、冷蔵庫を開けるその瞬間に、こう言った。

「ドレッシングある?」

…えっ、今まさに、テーブルの上にあるのに?

呆れを通り越して、思わず無言でテーブルの上を指さす私。
そこに乗っているのは、まぎれもなく、彼が探していたドレッシング。

すると息子は、ほんの少し恥ずかしそうに、でも照れ笑いしながら言った。

「うわ、同化してたわ」

あぁ、言い訳も雑だなと思いながら、私はすかさずこう返した。

「それが見えないなんて……どうかしてる!」

一拍おいて、ふたりで吹き出した。
なんだか、笑点みたいなやりとりだなと、自分でもおかしくなった。

日々の忙しさに、つい「また聞いてきた」と思いがちな私だけど、こういうやりとりができる日常って、ちょっといいなと思う。


息子たちの「見えてない発言」も、「見守り対象」だと思えば、愛しくも思えてくる。

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